ネネ Nēnē ハワイの州鳥
ネネは、ハワイ島、マウイ島、カウアイ島に生息するハワイの固有種で、ハワイの州鳥。
カモ目カモ科の鳥で和名ハワイガン(英名:Hawaiian goose)。カナダガン(Canada goose)が祖先と考えられており、翼は短く脚が長い。地上の草を食べるので、歩くことが多く、泳ぐことはめったにない陸生のカモで、水掻きが小さくなっている。個体数が少なく、国際保護鳥に指定されている。
ネネが減少した経緯
1778年にキャプテン・クックがハワイに到着したとき、おそらく25,000羽のネネがハワイに生息していたと考えられているが、マングース、ネコ、イヌなどのネネを捕食する動物が持ち込まれたり、ハンターによる狩猟などが原因で、個体数は大幅に減少し、1940年代半ばには50羽しか残っていなかった。
また、牛、山羊、豚などの動物がハワイで飼育されることになり、ネネの低地での食料となる食用植物を奪われたのも、減少の原因と考えられている。
ネネの飼育繁殖と放鳥プログラム
1970年代に、ハワイ火山国立公園は、ネネの飼育繁殖と放鳥プログラムを開始した。しかし、マングースや野良猫にひな鳥や卵が狙われ、道路では車に轢かれ、ゴルフコースではゴルフボールによって負傷または死亡することにより、思うように個体数が増加しない。
現在のネネは、危険な低地から高地に生息地を移しているが、高地では栄養不足により、ひな鳥が充分に成長しないので、自然に繁殖するのは非常に難しい状況である。
ハワイ火山国立公園の生物学者は、ネネに足環を付けて、バンディング(鳥類標識調査)を行い、そのモニタリング結果からネネの生態を把握し、ネネが繁殖するための改善を試み、より効率的な方法を模索している。
※人に慣れると車両事故に巻き込まれる確率が高くなるので、食べ物を与えたり、むやみに近づくことは禁止されている。
協力:National Park Service
ハワイ火山国立公園の野鳥 | ||
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