ロバート・ジョンソンのクロスロード伝説

ロバート・ジョンソンのクロスロード伝説

161号線と49号線が交わる十字路に、ロバート・ジョンソンのクロスロード伝説のモニュメントがあります。この十字路には語り継がれる伝説があります。
伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンがブルースの神髄と引き換えに魂を悪魔に売ったといわれる場所です。神業とも言われるギターテクニックを習得するために、悪魔と契約を交わした彼は、契約通り命を奪われることになったのだとか。

クロスロード伝説のクロスロード(十字路)はどこにあるのかと、ブルースマニアやロックファンの間で話題になりますが、クロスロード伝説はもちろん作り話です。なので、伝説の十字路は存在しませんが、この場所に多くの人が訪れます。
ロバート・ジョンソンは実在の人物で、ロバート・ジョンソンを知っている人は、このモニュメントを見て思うはずです。
「ロバート・ジョンソンはアコースティック・ギターを弾いているのだけどなぁ、、、」
また、この161号線と49号線を見て「この道路はいつからあるんだろうか?」
身も蓋もない話となりますが、この場所がクロスロード伝説とは実際には何の関わり合いもないのです。
ですが、重要な事は、ロバート・ジョンソンが残した音楽です。それこそが伝説に値するものなのです。

ロバート・ジョンソン Robert Johnson

ロバート・ジョンソン Robert Johnsonロバート リロイ ジョンソン Robert Leroy Johnson(1911年5月8日 – 1938年8月16日)
 
生涯で録音したのは、たったの29曲と、同曲の別テイクが13テイクだけ。
それにもかかわらず、伝説のブルーズ・マンと呼ばれている。 
伝説と呼ばれるのは、クロスロード伝説と呼ばれる伝説による。
若かりし頃のロバート・ジョンソンが、ブルースの神髄と引き換えに魂を悪魔に売ったと言う噂話が伝説化する。
伝説が生まれた根源として、大きく2つの事が挙げられる。
 
まず、急激にギターのテクニックが上達したことが、悪魔に魂を売って手に入れたと言われている。
実際には、旅から旅へのブルースの旅で短期間に磨き上げられた事が真実とされるが、あまりにも短期間に上達したので悪魔に魂を売って手に入れたと言われている。
 
次に、神業とも言われるギターテクニックを習得するために、悪魔と契約を交わした彼は、契約通り命を奪われることになったという話。
実際に、ロバート・ジョンソンは27歳で不可解な死に方をしており、ミシシッピ州グリーンウッドの役場に提出された死亡届には、死因に「No Doctor」とだけ記載されており直接的な死因は不明。
そのために悪魔に魂を奪われて亡くなったとされている。
 
ロバート・ジョンソンは、一般的には、人妻と不倫したために夫に殺されたと言われる
当時のブルーズマンは、旅から旅へ演奏旅行をするが、その土地土地で女が居てブルーズマンの世話をしていた。
ロバート・ジョンソンもそのような馴染の女が居たことは、曲に表現されている。
そんな女の一人が人妻で、不倫を見つけた夫に刺殺されたとか、夫により飲み物にストリキニーネを盛られて毒殺されたなどと言われている。
しかし、殺され方が特定されていないし、事件とも扱われていないことから伝説化した。

ロバート・ジョンソンの影響を受けたミュージシャン

海外や日本国内で、ロバート・ジョンソンの影響を受けたミュージシャンを紹介します。

エリック・クラプトン Eric Clapton

エリック・クラプトン Eric Claptonロバート・ジョンソンの影響を最も露出しているミュージシャンとしてエリック・クラプトンが挙げられるだろう。
1960年代でのバンド、クリーム(Cream)のヒット曲「Crossroads」は、ロバート・ジョンソンの「Cross Road Blues」をロック化した曲。
1974年『461 オーシャン・ブールヴァード』では「I’m A Steady Rollin’ Man」を収録。
極めつけは、2004年に『ミー&Mr.ジョンソン Me and Mr. Johnson』をリリース。
Mr. Johnson とは、もちろんロバート・ジョンソンの事で、アルバムの収録曲はすべてロバート・ジョンソンの曲。

ザ・ローリング・ストーンズ The Rolling Stones

ザ・ローリング・ストーンズ The Rolling Stonesアルバム『レット・イット・ブリード』に「Love In Vain」、『メイン・ストリートのならず者』に「Stop Breakin’ Down」が収録。
キース・リチャードは、ロバート・ジョンソンの『The Complete Recordings』のブックレットにエリック・クラプトンと共に寄稿している。

レッド・ツェッペリン Led Zeppelin

レッド・ツェッペリン Led Zeppelin 『最終楽章 (コーダ)』1969年6月23日、BBCのスタジオで録音され、同年6月28日の「Top Gear」で放送された「Traveling Riverside Blues」が、『コンプリート・スタジオ・レコーディングス』ボックス・セットでアルバム『最終楽章 (コーダ)』に収録される。
メンバーのジミー・ペイジ(Jimmy Page)とロバート・プラント(Robert Plant)は、ロバート・ジョンソンが映っている、わずか3秒半のビデオフィルムを100万ドルで買い取ろうとする程の熱狂的なファンである。

仲井戸麗市(RCサクセション)

19歳の頃からロバート・ジョンソンを聞く。
1993年に、ロバート・ジョンソン巡礼の旅として、ミシシッピを訪ねる。
「Love In Vain」を和訳してライブなどで演奏。

山崎まさよし

ロバート・ジョンソンから、多大な影響を受けたと公言する山崎まさよし。
山崎まさよしがレギュラーのラジオ番組でもロバート・ジョンソンを取り上げたりするほど。
ロバート・ジョンソンのルーツを探りミシシッピー・デルタを旅する特集番組では「Sweet Home Chicago」をセッションしている。
「Crossroads」のカヴァーが、ライブアルバム『ONE NIGHT STANDS』に収録されている。

映画 クロスロード

映画 クロスロードラルフ・マッチオ(Ralph Macchio)主演のブルースを主題としたロードムービー「クロスロード」は、1986年公開のアメリカ映画で、ロバート・ジョンソンの「クロスロード伝説」をモチーフとしている。
魂を奪いに来る悪魔役は、奇才フランク・ザッパ(Frank Vincent Zappa)門下生の1人であるスーパーギタリストのスティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)が演じた。
映画音楽はライ・クーダーが担当し、劇中のギター演奏シーンで指先がクローズアップされているのはライ・クーダーのもの。

演劇 クロスロード

中島らもの劇団「笑殺軍団リリパットアーミー」が、戯曲化し『レッド・ネック・ブルース』という題名で舞台化。

クロスロードのモニュメントがある場所の地図

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