ポンティアック イリノイ・ルート66の要所

文・写真:長野尚子
イリノイ・ルート66の中でも最重要ポイントのひとつが、ポンティアック(Pontiac)。
人口約11,500人、緑多きアメリカ中西部の風情を漂わせたキュートな町です。
イリノイ・ルート66博物館 ルート66の聖地

ポンティアックの中心部にある「イリノイ・ルート66博物館(Illinois Route 66 Hall of Fame & Museum)」は、“ルート66詣で”には欠かせない聖地として知られ、この日も多くのライダーたちが立ち寄っていました。
博物館の外壁に描かれた世界一大きなルート66の壁画が、ひときわ目を引きます。
ルート66にまつわる写真や資料の展示に加え、ルート66を生涯愛し旅をつづけたアーティスト、ボブ・ウォルドマイア(Bob Waldmire)さんが旅を共にしたフォルクスワーゲン・バスなども展示されています。

建物外には、ボブさんが改造して生活していたスクールバスも残されおり、自由に見学することができます。
道沿いにはボブさんが生前に残した長さ20mの壁画が肖像画とともに描かれ、ルート66を愛し、愛された彼の人柄をうかがい知ることができます。
イリノイ・ルート66博物館(Illinois Route 66 Hall of Fame &anp; Museum)
110 W Howard St, Pontiac, IL 61764 → Map
https://www.enjoyillinois.com/explore/listing/illinois-route-66-hall-of-fame-and-museum-1/
マフラー・マンの街 イリノイ州アトランタ
初日の夜はポンティアックで一泊し、二日目はあいにくの小雨模様のなかイリノイ州アトランタ(Atlanta)へと向かいました。
このルート(旧道)は、途中から道幅も狭くなり、舗装状態もあまり良いとはいえませんでしたが、道沿いに広がる大自然や、時々現れる中西部の街並みに、古きアメリカを肌で感じることができました。これこそが、ルート66の旅の醍醐味。

1時間ほどでアトランタに到着。人口わずか1,600人余りの、白人が98%を占める典型的な中西部の町です。
ここの名物は、あの巨人像「マフラー・マン」。
最も有名な「Paul Bunyan」像を中心に、街のあちこちにほぼ同じポーズで姿を変えた巨人たちが意味もなく林立する様は、少し不気味でさえあります。
アメリカン・ジャイアンツ・ミュージアム
古きアメリカを味わう

街の中心にある「アメリカン・ジャイアンツ・ミュージアム(American Giants Museum)」。

かつてルート66のロードサイドで広告塔として活躍していた様々なマフラー・マンたちが展示されています。
来場名簿を見ると、アメリカ各州から大勢の観光客が訪れていることがわかります。
アメリカ人にとってのアメリカン・ジャイアンツはきっと、私たち日本人にとっての「ビクター犬」や「不二家のペコちゃん」や「(大村)崑ちゃんのオロナミンC看板」のような存在なのかもしれません。
アメリカン・ジャイアンツ・ミュージアム(American Giants Museum)
110 W Howard St, Pontiac, IL 61764 → Map
https://www.americangiantsmuseum.com/
スプリングフィールド リンカーン大統領ゆかりの地
アトランタから国道55号線を南に40分余り走ると、本日の終着地、イリノイ州都、スプリングフィールド(Springfield)に到着。
第16代合衆国大統領アブラハム・リンカーンが、大統領に就任するまでの30余年を過ごした土地であり、彼の名を冠した通りや公共の建築物などが多く見られます。
イリノイ・ステイト・フェアグラウンド
ネオンサインのテーマパーク
最初に立ち寄ったのは、旧ルート66、(州道29号線)サンガモン通り(Sangamon Ave)沿いにある「イリノイ・ステイト・フェアグラウンド(Illinois State Fairgrounds)」。
イリノイ・ルート66エリアを歩いて回れるくらいの規模に縮小したテーマパークで、ノスタルジックな広告塔やネオンサイン、映画館、橋などが細かく再現されていて、結構楽しい!
「マフラー・マン」の骨組みと、各州の「マフラー・マン」たちのトリビュートも。(写真)
イリノイ・ステイト・フェアグラウンド(Illinois State Fairgrounds)
801 Sangamon Ave, Springfield IL 62702
リンカーン大統領図書館・博物館

フェアグランドから住宅街を5分ほど走ると、スプリングフィールドのダウンタウンに入ります。ここにはリンカーンにまつわる施設や史跡が数多くありますが、その代表的なものが「リンカーン大統領図書館・博物館」。
リンカーンの誕生から大統領に就任するまでの貧困~苦学時代、多くの犠牲を出した南北戦争と奴隷解放とのはざまで苦悩し、家族の死などの悲劇に見舞われた大統領時代、そして1865年に暗殺されるまでの生涯を、デスマスクを含む様々な資料やバーチャル映像を交えて展示しています。
アメリカで一番来館者の多い大統領博物館だけあって、非常に見ごたえのある博物館です。
ルート66を旅するなら、このスプリングフィールドで1泊し、リンカーンの家や墓地、州議事堂などを散策してみることをお勧めします。
アブラハム・リンカーン大統領図書館&博物館
(Abraham Lincoln Presidential Library & Museum)
212 North 6th Street, Springfield, IL 62701 → Map
https://presidentlincoln.illinois.gov/
モーターヘッズ
ルート66名物のクラシックカー&レストラン

二日目の締めくくりは、ルート66の名物博物館兼レストラン「モーターヘッズ(Motorheads)」へ。

数々のクラシックカーやアンティック用品、ヴィンテージバイクなどがところ狭しと積みこまれた、ルート66の残骸がひしめくヘンテコで楽しい空間。
モーターヘッズ・バー&グリル
(Route 66 Motorheads Bar & Grill, Museum and Entertainment Complex)
600Toromto Road, Springfield, IL 62711
https://www.66motorheads.com/
昨日はハンバーガー、今日は昼も夜もBBQとフライドポテトとビール・・・とさすがに胃がヘトヘト。
中西部は“ザ・肉食”だとは知っていましたが、シカゴなどと比べると他に選択の余地がないのがつらいところ。
体重を気にし始めつつ、明日はイリノイ・ルート66最後の町へと向かいます。
⇒ スプリングフィールドからセント・ルイスへ につづく
その他沿線の見どころ・名所
<スプリングフィールド>
スタジアム・スモークハウス・バー&グリル Stadium Smokehouse Bar & Grill
ジョニー・キャッシュだらけの中西部風BBQハウス
風味豊かな燻製肉とボリュームたっぷりの家庭料理で知られる地元の人気店。店主がジョニー・キャッシュの大ファンで、外装から内装までいたるところにジョニー・キャッシュ関連のものが置かれている。
2300 N. Peoria St., Springfield, IL 62702 → Map
https://thestadiumsmokehousebarandgrill.com/
エース・サインカンパニー博物館 Ace Sign Company Museum
ヴィンテージ看板がひしめくノスタルジックな空間
スプリングフィールドとルート66から集められた85点以上のヴィンテージ看板がひしめきあう異次元空間
2540 South 1st Street, Springfield, IL 62704 → Map
https://www.acesignco.com/museum/
リンカーンの家国立史跡 Lincoln Home National Historic Site
リンカーンが17年間家族と暮らした家
1861年に大統領に就任するまでの17年間を過ごしたリンカーンの自宅。周辺地区には様々な歴史的展示物が点在している。
413 S 8th St, Springfield, IL 62701 → Map
https://www.nps.gov/liho/index.htm
観光マップ
⇒ 大きな地図で見る
長野尚子 プロフィール
フリーライター、編集者。(株)リクルートのメディア制作マネージャー&ディレクターを経て、早期退職。アメリカ(バークレー)へ単身、人生の武者修行に出る。シカゴのアート&音楽情報サイト「シカゴ侍 http://www.Chicagosamurai.com 」編集長。四国徳島とシカゴの架け橋になるべく様々な分野で活動中。著書に『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。日本旅行作家協会会員。
Shoko Nagano HP ⇒ http://www.shokochicago.com/
| バイクで旅する イリノイ・ルート66 ~Get Your Kicks on Rt.66 | |
|---|---|
| キックオフはシカゴから! | |
| ポンティアックからスプリングフィールド | |
