「ルート66」100周年を祝う旅へ

文・写真:長野尚子
いつかは実現してみたいけれど、ずっと心の隅に置きっ放しにしていることはありませんか?
私がしまいこんでいたのは、「ルート66」をバイクで走るという夢。
「ルート66」は、1926年に開通したアメリカ横断国道で、全長はイリノイ州シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまで2,448マイル(3,940km)。
想いはふくらみつつも、バイクはどこでどう手配するのか、頼りになる仲間と一緒じゃないと無理かも、そもそも何からどう始めればいいの?・・・といろいろと不安材料が脳裏によぎり、そっと蓋をしていた私。
そんな矢先、2026年の「ルート66創設100周年」を前に、シカゴからセント・ルイスまでの「イリノイ・ルート」を走るバイクツアーに参加できるチャンスが到来。
これは行かねばなるまい!と心の声に従うまま、夢をかなえる旅に出ました。
ここでは2025年6月に体験した、シカゴからミズーリ州セント・ルイスまでのバイクの旅レポートをお届けします。
準備編:アメリカでバイクを借りるには?
まずは、バイク問題。
アメリカでバイクをレンタルする際は、まず信頼できる会社に任せることが大事です。その代表格が、イーグルライダー(Eaglerider)。きちんと整備された幾種ものハーレー・ダビッドソンを取り揃え、レンタルのみから宿泊込みまで様々なプランを用意し、実績も豊富です。
一方、もう少し安く済ませたいという方には、ツイステッド・ロード(Twisted Road)という民間サービスを利用する方法もあります。こちらは、個人のオーナーが自分のバイクを空いている時間に時間貸しする“個人貸し”システム。お手軽で料金を格安に抑えられる反面、マシン整備はオーナーに任せられているため多少の不安はあり。Uberのように顧客からの評価のみで判断するほかなく、経験がないと多少難しいかもしれません。
今回私は、イリノイ観光局のサポートにより後者のサービスを利用しました。
数か月前からバイク選びや日程調整、国際免許の登録など、メールで担当者とやりとりを重ね、オーナーさんのレビューもじっくりと読んで決めることができたので、不安はありませんでした。
バイクを選ぶなら大型を!

アメリカで長距離を走るには、中型よりもむしろどっしりと安定感のある大型バイクをチョイスするのが正解。というのも、舗装状態が必ずしも良いところばかりでなく、走行中には強い横風に煽られる場面も多いからです。
私は、ハーレーは大きすぎて怖かったので写真の「2005 Honda 750 Shadow Aero」を選択。最初はこの大きさにもビビリましたが、座面が低めで安定しており乗りまわししやすいバイクでした。
ヘルメットやジャケットなどは事前に伝えておくと現地でレンタルできますが、できれば最低限のギアは自分のものを持参することをお勧めします。
ちなみに私はヘルメットのみを現地で借り、小物やギアは日本から持参しました。天気も変わりやすいので、レインウェアも用意しておいた方がよいでしょう。
イリノイのルート66は “アメリカの縮図”

地図引用:https://overlookmaps.com/byways/il-historic-route-66-illinois/map
ルート66の起点、シカゴからセント・ルイスまでは、301マイル(482km)。
休みなしで走ると6時間あまりで到達できる距離ですが、今回は3泊4日かけて沿線の町々の古き良き名所に立ち寄るぶらり旅。アメリカでもっともアメリカらしいと言われる中西部の営みや、人々の生の暮らしを感じとることができました。
さて、いよいよ旅はシカゴから始まります!
⇒ キックオフはシカゴから! につづく
長野尚子 プロフィール
フリーライター、編集者。(株)リクルートのメディア制作マネージャー&ディレクターを経て、早期退職。アメリカ(バークレー)へ単身、人生の武者修行に出る。シカゴのアート&音楽情報サイト「シカゴ侍 http://www.Chicagosamurai.com 」編集長。四国徳島とシカゴの架け橋になるべく様々な分野で活動中。著書に『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。日本旅行作家協会会員。
Shoko Nagano HP ⇒ http://www.shokochicago.com/
| バイクで旅する イリノイ・ルート66 ~Get Your Kicks on Rt.66 | |
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