プリンスのセレブレーション

プリンスのセレブレーション

プリンスのことをあまり知らない人でも、一度は『パープル・レイン』を聞いたことがあるはず。アメリカ中西部・ミネソタ州 ミネアポリス出身の天才、プリンス・ネルソンの生み出した音楽はミネアポリス・サウンドとも呼ばれ、80年代にアメリカのみならず世界を席巻しました。その後も次々と独自のサウンドを作り出し続けた時代の寵児プリンスは、2016年4月21日、57歳という若さでまるで夢のように私たちの世界から姿を消してしまいました。
今年も4月19日から22日にかけて、彼の自宅兼スタジオ「ペイズリー・パーク」では「セレブレーション」と呼ばれるスペシャル・パーティーが行われ、私はやっとこの場所に足を踏み入れることができました。
このプライベート旅日記は、
 ・ 2019 年のセレブレーションに行ってみようと思っている方
 ・ 時期は問わず個人的にペイズリー・パークを訪ねてみようと思っている方
 ・ ミネソタに行くついでにプリンスゆかりの地を巡ってみようと思っている方
 に捧げます。

文・写真:長野尚子 Text・Photo :SHOKO NAGANO

シカゴからミネアポリスへ

4月18日(木曜日)

​自宅のあるシカゴを出たときの温度は、マイナス6度。ミネアポリスに着いたら、そこは一面の雪景色だった。先週末に中西部~北部を襲ったブリザードの爪痕が残っている。
プリンスは「Sometimes it’s Snow in April」と言う名曲を残したが、ここ中西部に住んでいるとその気持ちがよくわかる。

Sometimes it snows in April
Sometimes I feel so bad, so bad
Sometimes I wish that life was never ending
But all good things, they say, never last
All good things they say, never last
And love, it isn’t love until it’s past

4月に雪が降ることだってあるんだ。
とんでもなくつらくなるときだってある。
人生に終わりなんてなければいいのに。
いいことなんて続かないものなのさ。
愛、それは失ってから気づくものなんだ。

ライトレール

ホテルのシャトルバスではなく、ここはあえて電車(ライトレール)で終点のMOA駅まで、車窓からの白い景色を見つつ感慨に浸りながらの約10分の旅。今日から5泊6日、ブルーミントン市のホテル「カントリー・イン&スィーツ・ホテル(Country Inn & Suites by Radisson, Bloomington at Mall of America)」で、私の“プリンス合宿”が始まる。

モール・オブ・アメリカ

明日からの強行スケジュールにそなえて今日は屋内でゆっくりと楽しもうと、さっそく道のお向かいにある「モール・オブ・アメリカ」へ行ってみた。

アメリカ一大きなこのモールには、デパート3店舗、店舗数520以上、レストラン約50店、インドア遊園地、14スクリーンの映画館、2つの高級ホテル(「JWマリオット」、「ラディソン・ブルー」)があり、丸一日館内で退屈せずに過ごせる。一つのショップに10分費やしたとしても丸3日はかかるというのだから、買い物もスタミナ勝負。なんてたって靴と衣料品には税金がかからないから、あれこれ買い物していたらシカゴからの飛行機代くらい出てしまうのだ。

Hard Rock Cafe のプリンスの展示

プリンス 所縁の地

Hard Rock Cafe のプリンスの展示
Hard Rock Cafe のプリンスの展示このモール・オブ・アメリカにある「Hard Rock Cafe」には、プリンスのステージ衣装やギターが展示されているのでさっそく会いに行った。

フライ・オーバー・アメリカ Fly Over America

平日のため、遊園地も人がまばら。これを利用してオープン間もない新しいアトラクションに行ってみた。

「フライ・オーバー・アメリカ(FlyOver America)」は、カナダからハワイまで鳥の背中に乗ったようなリアル体験ができる。単なる乗り物と思っていたけれど、あまりの美しさに感動して胸が熱くなってしまった。どうやらミネソタに着いてから、少しエモーショナルになっているらしい。
その他にもミネソタのローカル・アンテナショップなども出ていて、アメリカによくある大きいだけのショッピング・モールとは一味違う気がした。

4月半ばだというのに凍える寒さの一日。「モール・オブ・アメリカ」の中で外気に触れることなくゆっくり過ごせたことで、まずは十分英気を養えた。夕食もこの中のローカル・レストラン「ツィン・シティ・グリル」で、軽いアパタイザーとビールで、まずは自分に乾杯。
明日はやっと、プリンスの眠るペイズリー・パークへ足を踏み入れることになる。
期待と、怖さが入り混じる。

2. シーラ・Eが吠えた!に続く

長野尚子プロフィール

長野尚子プロフィールイリノイ州 シカゴ郊外在住、フリーライター兼編集者、ときどきジャズ・シンガー。剣道家。「人類平和」を究極のテーマとし、音楽、国際文化交流、教育、食、旅などの分野で人脈を広げながら執筆活動中。極上のブルースを求めてひとりでシカゴの夜を徘徊するのが趣味。著書に、アメリカでの「人生棚卸し」の旅3年間を綴った『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。シカゴのアート&エンタメにフォーカスしたニュースサイトChicago Samuraiシカゴ侍)」管理人。

Shoko Nagano HPhttp://www.shokochicago.com/

モール・オブ・アメリカの場所と行き方

Mall of America 60 E Broadway, Bloomington, MN
ミネアポリス・セントポール国際空港からメトロ ライト・レールで行く場合の一例

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