ランスキー・ブラザーズ キングの洋装店
Lansky Bros. Clothier to the King
Lansky Bros. Clothier to the King は、メンフィスのビールストリートのすぐ近く、サウス 2nd ストリート沿いにあります。ハードロックカフェメンフィス、メンフィス音楽大殿堂博物館、そしてこのランスキー・ブラザーズが入っている、”The Hard Rock Caff Music Complex”という建物の中にあります。
⇒ Lansky Bros. Clothier to the Kingの場所と行き方
サウス 2nd ストリート沿いの入り口の取っ手はランスキー・ブラザーズのイニシャルのLBの文字。洒落てますね。
そして、表のショーウィンドウには、ランスキー・ブラザーズのオーナーのバーナード・ランスキー氏と若き日のエルビス・プレスリーとの有名なエピソードの最初のシーンである “Come On In, Young Man!” の挿絵があります。
この挿絵は、バーナード・ランスキー氏の息子さんで現オーナーのハル・ランスキー氏と孫娘にあたる、ジュリー・ランスキーさんが子供向けに作った絵本の表紙です。
バーナード・ランスキー氏の”Come On In, Young Man!”の言葉は、この絵本のタイトルでもあるのです。この絵本はエルビス・プレスリーとランスキー・ブラザーズが発展していった話をベースにして「夢を放棄せず、常に自分自身を信じること」をテーマに描かれています。
エルビス・プレスリーとバーナード・ランスキー
1952年のある日、まだ無名のエルビス・プレスリーがショーウィンドウを覗き込んでいる事に気づいたバーナード・ランスキーが “Come On In, Young Man!” と言って店に導きました。エルビス・プレスリー は「今は、お金が無くって一着も買えないけど、そのうちにこのお店を丸ごと買ってみせるよ」と言い、バーナード・ランスキーは「店を買うのはよしてくれ。ずっと、この僕から服を買っておくれよ」と言い、とりあえずツケ払いで服を持って帰る事を許しました。この日、二人は友人となったのです。エルビス・プレスリー はお金が出来ると支払いに来ては、またツケ払いで服を持って帰ってました。
1954年にエルビス・プレスリーがサンレコードから「That’s All Right」でデビューしてスターダムを駆け上りました。1956年にエルビス・プレスリーがエドサリバンショーに出演した時、着ていた衣装はランスキー・ブラザーズの服でした。
1957年、エルビス・プレスリーはレコード会社RCAからドイツ車のメッサーシュミット(Messerschmitt)をバーナード・ランスキーに見せにランスキー・ブラザーズを訪れました。楽しく会話をしたあと、エルビス・プレスリーはランスキー・ブラザーズにあった服のほとんどを買っていきました。こうして、二人とも発展していったのです。
僕が、現オーナーのハル・ランスキー氏に「このお店の事を書くにあたって、最も重要な事は何ですか?」と尋ねると、ハル氏は「お店の事は良いんだ。うちの親父とエルビスの友情の事を書いておくれ」と言って、お店に飾ってあるエルビス・プレスリーとバーナード・ランスキー氏の2ショット写真を指差したのです。
現オーナーのハル・ランスキー氏
そして、ハル氏が子供の頃にランスキー・ブラザーズにやってきたエルビス・プレスリーと一緒に写っている写真も教えてくれました。僕は「エルビス・プレスリーとバーナード・ランスキー氏の友情に関して必ず書きます」と言うと「よろしくな」と言って握手してくれました。
僕は「これで、あなたと僕も友人ですね。では、さっそくですが、僕もツケ払いで一着持って帰っても良いですよね」というとハル氏はにっこりと笑って「もちろんだとも!私たちは友人だ。だから君のカメラを次に来る時まで貸しておくれ」と言いました。
実際には、エルビス・プレスリーとバーナード・ランスキー氏の出会いに関するエピソードは、あらゆる書物やTV番組、WEBサイトなどでもよく見かけ、言い方は悪いですが手垢のついたネタです。しかし、ハル氏から直接にその話を聞くと、このエピソードがバーナード・ランスキー氏の生き方を象徴していて、その事をハル氏が誇りに思っているのだということが伝わってきて、とても新鮮な気分になりました。
バーナード J ランスキー ストリート
Bernard J Lansky Street
元々、ランスキー・ブラザーズはビールストリートとサウス 2nd ストリートの角にありました。ハードロックカフェがその場所を熱望したので譲ったそうです。ビールストリートのハードロックカフェの前は「バーナード J ランスキー ストリート」と名前が付けられています。
ビールストリートのハードロックカフェの前には「Lansky Bros. Clothier to the King」のマーカーが建っています。
ハードロックカフェの奥や、メンフィス音楽大殿堂博物館の方からのランスキー・ブラザーズの入り口もかっこいいですが、ランスキー・ブラザーズに訪れたら、是非とも正面の”Come On In, Young Man!”の方から入ってください。
次回 ⇒ 41. メンフィス音楽大殿堂博物館を見学 に続く
Lansky Bros. Clothier to the Kingの場所と行き方
Lansky Bros. Clothier to the King 126 Beale St, Memphis, TN メンフィス国際空港から Lansky Bros. Clothier to the King へ、車(レンタカー)で行く場合の一例。
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1. メンフィス探訪
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29. ピーバディ メンフィスのランスキーブラザーズ
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34. サンスタジオを見学 2階の展示スペース
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36. コットンミュージアムでメンフィスの歴史を学ぶ
37. テネシー ウェルカム センター に寄ってみた。
38. ガスズ フライドチキン メンフィス ダウンタウン店でランチ
39. スレイブヘブン博物館で黒人奴隷の逃亡について学習する
40. Lansky Bros. Clothier to the King
41. メンフィス音楽大殿堂博物館を見学
42. ザ ビューティー ショップ でディナー
43. ブルー プレート カフェ Blue Plate Cafe
44. オーバートン・バークへ行ってみた
45. オーバートン・スクエア ミッドタウンのランドマーク
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47. スタックス博物館でオーティス・レディングを偲ぶ
48. ウィリー・ミッチェルズ ロイヤルスタジオを訪問
49. ローレンス“ブー”ミッチェル氏
50. 約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~
51. ロイヤルスタジオ <番外編>
52. チャールズ ベルゴズ ランデブーでバーベキューリブをいただく
53. メンフィス探訪 2018 まとめ