2018セレブレーション、完結

4月22日(日曜日)セレブレーション最終日

スケジュール

11:00 ~ 11:50amfDeluxeパネルトーク
12:55 ~ 02:35pm館内(ミュージアム)ツアー
02:45 ~ 03:45pmfDeluxe ライブ・パフォーマンス

今朝はヒルトンホテルからチャンハッセンまでの無料シャトルにもぐりこむことに成功。
どうやら2日目あたりからチェックすらしなくなったらしい。それとも、プリンスファンを大目に見てくれたのだろうか。そのアバウトさがいかにもアメリカらしい。

文・写真:長野尚子 Text・Photo :SHOKO NAGANO

セレブレーション最終日のフェンス

プリンスは死なず

今日もたくさんのグッズが。このフェンスとも今日が見納めかと思うとさびしい。

ペイズリーパーク 館内ミュージアムツアー

今日のプログラムの一番の見どころは、館内のツアー。
ボランティアのガイドさんの説明を聞きながら、通常のツアーの倍ほどの時間をかけて、ゆっくりと各部屋、各展示を見てまわることができた。プリンスの魂を隅々に感じながら・・。

プリンスは死なず

白いハトが天空に向かって羽ばたく1階の吹き抜けアトリウム。プリンスも白いハトになってこの場所から空に向かっていったのだろうか。

プリンスは死なず

「パープル・レイン」の部屋では、映画『パープル・レイン』で使われたバイクや、アカデミー賞ベスト楽曲賞を受賞したオスカー像などが展示されている。

プリンスは死なず

プリンスがこだわりにこだわったスタジオは必見。「Lovesexy」「Batman」「Diamonds & Pearls」「The Gold Experience」「The Black Album」「Sign O’The Times」をなど、代表作がここで録音された。

fDeluxe コンサート

今年のセレブレーションを締めくくったのは、プリンスの初期のキャリアを支え彼を世に送り出した、いわば“ルーツ”ともいえるバンド「ザ・ファミリー(The Family)」(現在は「fDeluxe」)によるライブ。

プリンスは死なず

左からスザンナ・メルヴォイン(Susannah Melvoin:Vo.)、セント・ポール・ピーターソン(St. Paul Peterson:Bs & Vo)

プリンスは死なず

33年の時を経て聞いた、オリジナルアレンジの『Nothing Compares 2 U』に、涙があふれ出る。

プリンスは死なず

プリンスは死なずすべてのスケジュールを終了して外に出る。See you next year! と声を掛け合う“ファミリー”たち。
 
昨年はまだまだエモーショナルで、お葬式色が強く、泣きじゃくる人が多かったと聞く。
そのせいか、館内のあらゆるところにティッシュ・ボックスが置かれていた。(私も1回、鼻かんだ)。でも今年はもっと「賛美」に近かった、と皆が口をそろえた。
 
ファンの心の中にプリンスは間違いなく生き続けている。
死は肉体だけのもの。彼の魂は、ファンが彼の遺産を受け継いでいくかぎり、生き続ける。

プリンスは死なず

2年目の今年、ここに来られたことで私の中にも一つの区切りがついた気がする。
それに、もうメソメソなんてしていられない。もっともっと、彼の音楽を探求していきたい、いかねば、と強く感じた。そうするように、彼がここに呼んだにちがいないから。
 
ありがとう、プリンス
死してなお、私を夢中にさせてくれる。
もう少しで生身のあなたに手が届きそうなところまで来ていたのに、するりと私の手から逃げてしまった・・・。やはりただものじゃないわね。

Bunker’s Music Bar & Grill

プリンス 所縁の地

プリンスは死なず

最終日の晩は、現地でできた友人のお勧めでこのライブハウスに行ってみることにした。

プリンスは死なず

ミネアポリスで一番古いミュージック・バー&レストラン。ここにはプリンスがよくお忍びで遊びに来ては気軽にジャムっていたという。

プリンスは死なず

8時半ごろは私とあと数人だったのに、0時を回ると店はインターナショナル・プリンスコンベンション状態に。

Bunker's Music Bar & Grill
プリンスは死なず今夜のバンドは、「The Combo」。プリンスのNPG(ニューパワージェネレーション)の鉄壁のリズムセクションコンビ、SONNY・T(Bs)、 MICHAEL・B(Ds) がファンを熱狂させる。
 
ここにはプリンスもよくオフで遊びに来ていた。店には写真も。

プリンスは死なず

フランスから来たプリンス・ファミリーたちと。世界はプリンスでつながっている、と実感。ラファエルさん(写真・私の隣)は、プリンス本を出版するほどのマニア。ミネアポリスだけでもう20回は訪れ、プリンスのステージは100回生で見た。
「13歳のとき軽い気持ちで見に行ったプリンスのライブを、今も忘れないよ。オープニングでステージの黒い幕がサーっと床に落ちて、黒いブリーフ一枚のプリンスが目の前に現れたその瞬間、僕は少年から男になったんだ(笑)」

縁は2時過ぎまで続き、Uberで帰ろうとしたらなかなかつかまらない。途方に暮れていたらこの店でよくライブをしているというシャリームが乗せてあげるよ、と声をかけてくれた。帰りの車の中で彼は、プリンスがいかにグッド・ガイだったかを話してくれた。
彼のこの言葉はまさにセレブレーションを締めくくる夜にふさわしかった。
プリンスのすべては、このミネアポリスという町とひとつになって生み出されたのだ。
それは西でも東でもない、中西部の底知れぬ魅力。表現せずにはいられない空気。私の愛するシカゴにも通じる。それを実感した4日間だった。

「セレブレーション」のより詳しい内容のレポートは、こちらのリンクをご覧ください。
”紫の君”プリンスが愛した、ミネアポリス、中西部ミネソタ。没後2年目「Celebration 2018」の熱い4日間。

⇒ <番外編>プリンス セレブレーション ガイドに続く

長野尚子プロフィール

長野尚子プロフィールイリノイ州 シカゴ郊外在住、フリーライター兼編集者、ときどきジャズ・シンガー。剣道家。「人類平和」を究極のテーマとし、音楽、国際文化交流、教育、食、旅などの分野で人脈を広げながら執筆活動中。極上のブルースを求めてひとりでシカゴの夜を徘徊するのが趣味。著書に、アメリカでの「人生棚卸し」の旅3年間を綴った『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。シカゴのアート&エンタメにフォーカスしたニュースサイトChicago Samuraiシカゴ侍)」管理人。

Shoko Nagano HPhttp://www.shokochicago.com/

Bunker’s Music Bar & Grill の場所と行き方

Bunker’s Music Bar & Grill 761 N Washington Ave, Minneapolis, MN
ミネアポリス・セントポール国際空港から車(レンタカー)で行く場合の一例。

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