サンスタジオ ロックンロールの生誕地
サンスタジオ(SUN STUDIO)は、メンフィスのビールストリート辺りから東へ約1マイル(1.6km)の所にあります。メンフィス・ロックンソウル博物館から1時間に1本、無料のシャトルバスが出ていますが、満席なら乗れない場合があるのでご注意ください。レンタカーで行くのであれば、サンスタジオの裏に駐車場があります。 サンスタジオ前の通りは、サンスタジオのオーナーの名前が付けられてサムフィリップス アベニュー(Sam Phillips Avenue)となっています。
1951年に史上初のロックンロールのシングル・レコードと言われているジャッキー ブレンストン&デルタ・キャッツ(Jackie Brenston and his Delta Cats)の「ロケット88」がここサンスタジオでレコーディングされたことから、サンスタジオは“ロックンロールの生誕地”とされています。
また、サンスタジオは、2003年にアメリカ合衆国国定歴史建造物に認定されました。
⇒ サンスタジオの場所と行き方
サンスタジオ ガイド付きツアー
サンスタジオに世界中の人々が訪れるのは、エルビス・プレスリーが初めてレコーディングしたのがこのサンスタジオだったからです。サンスタジオに入るとミリオン・ダラー・カルテットの写真が飾られています。ミリオン・ダラー・カルテットに関しては次のレポートでご案内します。
45分のガイド付きツアー(2018年8月時点のツアー代金は$14)に参加すれば、スタジオ内を見学する事ができます。サンスタジオの2階はちょっとした博物館になっています。
⇒ サンスタジオ公式サイト
貴重な資料が並ぶサンスタジオの2階へ
サム・フィリップス(Sam Phillips)のキャリアでラジオの仕事は重要なポイントとなります。特にサム・フィリップスがDJおよびエンジニアとして勤務していたアラバマ州のWLAYは、白人音楽も黒人音楽も流すラジオ局でした。その影響で、サム・フィリップスがメンフィスでレコーディングサービスを始めた時、白人も黒人も関係なくレコーディングしていました。この事は、サンスタジオが成功した要因の一つです。
このラジオ局のDJブースは、メンフィスのWHBQのDJブースを再現したものです。WHBQには、デューイ・フィリップスという人気DJが居て、リズム&ブルースをラジオで世間に広めたのです。そして、エルビス・プレスリーのデビュー曲「ザッツ・オール・ライト(That’s All Right)」(1954年リリース)を初めてラジオで流したのもデューイ・フィリップスです。
サム・フィリップスは、1950年1月3日にメンフィス・レコーディング・サービス(The Memphis Recording Service)をオープンさせ、まだアマチュアのミュージシャンのレコーディングや結婚式、葬式などのイベントの録音等を行っていました。
アマチュアのミュージシャンの音源を大手のレーベルに売り込むことも始めて、1952年に独自のレーベルであるサンレコード(Sun Record Company)を立ち上げ、録音スタジオのサンスタジオを作りました。 B.B.キング、ジュニア・パーカー、ハウリン・ウルフの最初のレコーディングはここサンスタジオで行われました。
古いレコーディング機材なども展示されています。
テープ式のレコーダーです。テープ式のレコーダーが出てきてから、レコーディング技術が大きく進歩していきます。
ミキサーです。別々に録音された音源をひとつにミックスする機材です。ミキサーが出てくるまでは、一発録音と言ってバンドメンバーもボーカルも同時に録音をする必要が有りました。しかし、ミキサーが出てきてからは、各楽器やボーカルを別々に録音して、後に合わせることが出来るようになったのです。ボーカルだけを何度も録り直すという事もできるので、ベストの演奏、ベストの歌を編集できるようになり、よりクオリティの高いレコードを作ることが出来るようになったのです。
プロミュージシャンの第一歩
このサンスタジオでは、先ほど記載したB.B.キング、ジュニア・パーカー、ハウリン・ウルフ以外に、アイク・ターナー、ルーファス・トーマス、ジョニーキャッシュ、カール・パーキンス、ジェリー・リー・ルイス、ロイオービソンらもレコ―ディングしてプロミュージシャンへの第一歩を踏み出しているのです。
エルビス・プレスリー デビュー!
サンスタジオを有名にし、音楽史において歴史的な存在にした一番のエピソードは、エルビス・プレスリーのデビューシングルを録音した事です。その事は、次のレポート「サンスタジオを見学 レコーディングスタジオ編」でご案内します。
この革のカバーに覆われたギターは初期のエルビス・プレスリーのトレードマークのような存在です。ビールストリートの入り口に建っているエルビス・プレスリーの像もこのギターを弾いています。
次回 ⇒ 35. サンスタジオを見学 レコーディングスタジオ編 に続く
サンスタジオの場所と行き方
SUN STUDIO 706 Union Ave., Downtown Memphis, TN
メンフィス国際空港からサンスタジオへ、車(レンタカー)で行く場合の一例。
※ 駐車場は建物の裏手にあります。
⇒ 大きな地図で見る
1. メンフィス探訪
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23. メンフィス・ロックンソウル博物館でメンフィスの音楽に関して学ぶ
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31. フライト レストラン & ワインバー でディナー
32. ラム・ブギー・カフェでグッドミュージックに浸る
33. カフェ キーオでヨーロピアン・ブレックファースト
34. サンスタジオを見学 2階の展示スペース
35. サンスタジオを見学 レコーディングスタジオ編
36. コットンミュージアムでメンフィスの歴史を学ぶ
37. テネシー ウェルカム センター に寄ってみた。
38. ガスズ フライドチキン メンフィス ダウンタウン店でランチ
39. スレイブヘブン博物館で黒人奴隷の逃亡について学習する
40. Lansky Bros. Clothier to the King
41. メンフィス音楽大殿堂博物館を見学
42. ザ ビューティー ショップ でディナー
43. ブルー プレート カフェ Blue Plate Cafe
44. オーバートン・バークへ行ってみた
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48. ウィリー・ミッチェルズ ロイヤルスタジオを訪問
49. ローレンス“ブー”ミッチェル氏
50. 約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~
51. ロイヤルスタジオ <番外編>
52. チャールズ ベルゴズ ランデブーでバーベキューリブをいただく
53. メンフィス探訪 2018 まとめ