第54回スーパーボウル SUPER BOWL LIV

チーフス VS サンフランシスコ・フォーティナイナーズ

カンザスシティ・チーフス Kansas City Chiefs

チーフスは、2019年シーズンでAFCチャンピオンとなり、50年ぶりにフロリダ州マイアミにあるハードロック・スタジアムで、2020年2月2日に開催される第54回スーパーボウルに進出。NFCチャンピオンのサンフランシスコ・フォーティナイナーズとの対戦であった。フォーティナイナーズのクォーターバックのジミー・ガロポロは、ニューイングランド・ペイトリオッツ時代に控えながらもスーパーボウルに2回出場の経験があるのに対してパトリック・マホームズが初出場ということや、パス攻撃が得意なマホームズに対して、フォーティナイナーズのディフェンスは、パス守備がレギュラーシーズンで首位の成績で、ディフェンスエンド陣の二人が合計19回のQBサックをマークしていることから、マホームズ潰しの戦略が出来上がっているなどの理由から、下馬評ではフォーティナイナーズ勝利の予想が若干上回っていた。
また、ディビジョナルラウンドでヒューストン・テキサンズに24点リード、カンファレンスチャンピオンシップでテネシー・タイタンズに10点リードされているのを逆転してスーパーボウル進出したことから、攻撃の爆発力は評価されながらも、チーフスは守備がそれほど強固でないとされていた。
前半を10対10で折り返したが、マホームズが思うようにプレーできないように封じ込まれている印象で、場内はフォーティナイナーズ優勢の雰囲気が漂っていた。

第54回スーパーボウル 第3クオーター

一般的な予想の通り、フォーティナイナーズのディフェンスは強力で、チーフスの攻撃は爆発力を封じ込められて10対10という接戦。後半に大きな展開があることを期待して第3クオーターが始まった。

残り時間攻撃主な攻撃内容
10:39SF敵陣27ヤードまで攻め込むがタッチダウンまで持ち込めず、フィールドゴールで3点追加。SF13 – KS 10となる。
6:22KC2nd-5y SF97ニック・ボサが、マホームズが持つボールをはたき落とすというプレッシャーを与え7ヤード後退。
5:36KC 3rd-12y マホームズのパスがSF54フレッド・ワーナーにインターセプトされる。マホームズはプレイオフ初めての被インターセプト。
 SF自陣45ヤードからの攻撃。
2:30SFタッチダウン&エクストラ・ポイントでSF 20 – KS 10となる。
1:48KC自陣30ヤードから3rd-5y パスターゲットが見つからず、マホームズがスクランブルで17ヤードを走りファーストダウン更新。

更にフォーティナイナーズが優勢な状況になりつつも、チーフスの攻撃力であれば逆転もありうる点差。

第54回スーパーボウル 第4クオーター

SF20 – KS 10のスコアで、チーフスの攻撃から第4クオーターが開始。

残り時間攻撃主な攻撃内容
13:34KC1st-10y SF99ディフォレスト・バックナーにクオーターバック・サックを決められ9ヤード後退。
12:51KC2nd-19y SFのディフェンスが厳しいプレッシャーをかけるなか、ファイ―ストダウンまで6ヤードの地点までマホームズが走る。
12:05KC3nd-6y KC10タイリーク・ヒルへパスを投げるが、ヒルがパスを弾いてしまい、チップしたホールをSF33ターバリアス・ムーアがインターセプト。
11:57SFSFは自陣20ヤードからの攻撃で、流れはSFであったが、無得点に終わる。
8:53KC自陣17ヤードから10点差を追いかける。
8:33KC2nd-7y マホームズが自ら走ってファーストダウン更新。
7:25KC1st-10y フォルススタートの反則でKCは5ヤードの罰退。
7:25KC1st-15y パスインコンプリート。
7:17KC2nd-15y ヒルへのパスが通ってファーストダウン更新のジャッジに対して、SFがチャレンジ。結果、パスインコンプリートに覆る。
7:13KC3rd-15y 自陣35ヤードからの攻撃は、SFのディフェンスにプレッシャーを受けて、20ヤードまで下がりながら、ステップアップせずに敵陣22ヤード付近のヒルへの52ヤードのロングパスを通し、マホームズの強肩ぶりを発揮。
6:36KC敵陣21ヤードの好位置からの攻撃だが、ヒルへのパスが失敗。
6:30KC2nd-10y 攻撃失敗。
6:23KC3rd-10y エンドゾーンのケルシーへパス。パス失敗に見えたが、SF33ムーアのインターフェアとなりオートマティック・ファーストダウンで残り1ヤードからの攻撃となる。
6:17KC1st-G ケルシーへのパスでタッチダウン。SF20 – KS 16。
エクストラ・ポイントで1点追加してSF20 – KS 17。
6:06SF自陣20ヤードからの攻撃は攻めきれずパントで終わる。
5:10KC自陣35ヤードからの攻撃。
3:45KC敵陣48ヤードまで進めて2nd-7yの攻撃。KC14ワトキンスへのパスが通り、タッチダウンまで10ヤード。
3:37KC1st-G の攻撃だが2回止められる。
2:44KC3rd-G ゴールまで10ヤードの攻撃。KC26ウィリアムズへパス。ウィリアムズはアウト・オブ・バウンズ ギリギリでTDを決め逆転成功。エクストラ・ポイントも追加してSF20 – KS 24。
2:39SF自陣15ヤードからの攻撃。
1:33SF敵陣49ヤードまで進めるが4th-10yとなり、タッチダウンで無ければ逆転不可能なSFは攻撃しか選択はなく、攻撃するが失敗に終わる。
1:25KC自陣42ヤードから攻撃。
1:20KC2nd-6y KC26ウィリアムズへのパスが通り、一気にエンドゾーンまで走り抜けタッチダウン。エクストラ・ポイントも追加してSF20 – KS 31。
1:12SF逆転には2タッチダウンが必要な状況。
1:08SFパスをKC29ケンドール・フラーがインターセプト。
0:05KC4th-25y まで時間を稼ぎ、最後はマホームズらしい対空時間の長いパスで試合終了

第4クオーターの残り時間12:05のインターセプトと、その後のマホームズへのプレッシャーが有効だったので、フォーティナイナーズが勝利を手繰り寄せたと思われた。しかし、残り時間7分頃からチーフスの怒涛の攻撃にフォーティナイナーズはもろくも崩れ去った。

アンディ・リードとパトリック・マホームズ

カンザスシティ・チーフス Kansas City Chiefs

アンディ・リードは、ヘッドコーチキャリア21年目にしてスーパーボウル初制覇を果たした。21年目でのスーパーボウル初優勝はNFL史上最長記録である。24歳のパトリック・マホームズは最年少でスーパーボウルMVP獲得を記録した。

協力:Kansas City Chiefs、Missouri Division of Tourism、MRC