メンフィス アメリカ音楽好きのあこがれの地
Home of the Blues and the Birthplace of Rock ‘n’ Roll
メンフィスは、アメリカ音楽の中でブルース、ソウルミュージック、ロックンロールが好きな人にとって、一度は行ってみたい街の一つだろう。何故なら、ブルースはこの街で育ち、ソウルやロックンロールはこの街で産まれたと言われているからだ。
ブルースはメンフィスがあるテネシー州や、さらに南にあるミシシッピ州で演奏していたブルースメンがメンフィスのビールストリートに集まってきて賑わった。その頃はアコースティックギターなどで弾き語るスタイルだった。メンフィスよりも北にあるシカゴで黒人労働者を必要とする産業が成長するにつれて、多くの黒人労働者がシカゴなどに移る際に、メンフィスに居たブルースメン達もシカゴに移住し、楽器がエレキ化されシカゴブルースへ発展していった。代表的なシカゴブルースのブルースマンの中に、ビールストリートで演奏していたというブルースマンは少なくない。
ソウルミュージックは、メンフィスで産まれ、デトロイトが自動車産業で発展し労働力を必要とすると、黒人労働者と共にミュージシャンもデトロイトへ流れて行き、その後はモータウンサウンドと呼ばれるソウルミュージックへとなった。しかし、デトロイトで演奏されていた初期のソウルはゴスペルをベースとしたメンフィススタイルのソウルミュージックが多く、サザンソウルと呼ばれていた。
ロックンロールの誕生に関しては、1951年にサンスタジオで録音された、ジャッキー・ブレンストン&デルタ・キャッツの「ロケット88」が最初のロックンロール・レコードと言われています。
ロックンロールが、音楽の一つのスタイルとして注目され、当時の若者たちの間で流行したきっかけを作ったのは、エルビス・プレスリーである事は間違いなく、デビュー曲である「That’s All Right 」をレコーディングしたのがメンフィスのサンスタジオであったことから、メンフィスがロックンロールの生誕の地と言われています。
メンフィスと自分
メンフィスはこのような音楽の街なので、アメリカ音楽が好きな人にとって、一度は行ってみたい街の一つだろうなんてことを冒頭に書いているが、音楽好きの自分が実際にメンフィスへ行くのは今回が初めてである。若い頃には行く余裕もなく、おっさんになってからも、シカゴ、メンフィス、ニューオーリンズは一度は行ってみたいと漠然と思っていただけで、なかなか行動にうつせていなかった。
それが、孫ができて じいさんになってから、メンフィスへ行きたいと思う出来事がいくつか起こり、以前よりも行きたいと思う気持ちは強くなった。
今から40年ぐらい前の事になるが、高校生の時に先輩にこれを聞けと『ぼちぼちいこか/上田正樹と有山淳司』というレコードを渡された。70年代中頃にブルースを大阪弁で歌うという、いわゆる関西ブルースと呼ばれたジャンルの音楽が産まれ、このアルバムはその中の代表的な一枚であった。大阪弁の歌詞で、いくつかの曲に、道頓堀、北新地、御堂筋、梅田、なんばなどの大阪の地名がちりばめられているので、大阪出身の僕は、すぐにその世界に引き込まれた。曲調はブルースだったりラグタイムであった。
先輩が次に貸してくれたアルバムが『この熱い魂を伝えたいんや/上田正樹とSOUTH TO SOUTH』というライブ盤で、ソウルやリズム&ブルースのオンパレード。アレサ・フランクリンやオーティス・レディング、そしてエルビス・プレスリーのカバー曲なども入っている。このアルバムが気に入った理由は後々に気付くのであるが、リズムに体が反応していたのだ。耳で聞くのでなく、体で感じていたということだろう。中でも、ラスト曲の「お前を離さない」という曲のノリが凄くて大好きな曲になった。後にこの曲がオーティス・レディングと言う人の「Can’t Turn You Loose」であると知り、オーティス・レディングを聞くようになった。
若い頃は全く理解してなかったが、この2枚のアルバムに収められている多くの曲がデルタブルース、ラグタイム、サザンソウル、リズム&ブルースなどのメンフィスミュージックだったのである。この2枚のレコードを通じて、オリジナルではないけど、メンフィスミュージックが10代の頃に刷り込まれていたのである。
数年前に関西ブルースを継承するための団体ができて、2016年から一年に一度”なにわブルースフェスティバル“というイベントが開催するようになった。このイベントのメインミュージシャンは前出の2枚のレコードのバンドメンバーの一人である有山じゅんじさんで、40代から有山さんと親交がある僕もこのイベントをお手伝いすることになった。そして、2枚のアルバムを改めて聞いていると、メンフィスの音楽をもっと掘り下げてみたいと思った。
それと、有山じゅんじさんのライブのお手伝いをしている時に時々、『ぼちぼちいこか』と『この熱い魂を伝えたいんや』を僕に貸してくれた先輩はどうしているんだろうと思い出すことがあったが、実際には連絡する事は無いまま日が経っていた。それが、昨年にその先輩が亡くなったという話を聞いた。まだ50代半ばという年齢もあったが、死因が風邪をこじらせたという嘘のような話に驚いた。先輩の訃報とメンフィスへ行きたいという気持ちに直接的なつながりはないが、「会いたいと思う人と会っておくべき。行きたいと思う所へ行っておくべき。やりたいと思う事をやっておくべき」と思った。そう思うと、やはりメンフィスへは行っておくべき場所だと思った。
他にもメンフィスへ行きたいと思う出来事が50代になってから起こるのだが、それは他のページで書くとしよう。
次回 ⇒ 2. メンフィス国際空港 Memphis International Airport に続く
メンフィス ビールストリート の場所と行き方
Beale Street
メンフィス国際空港から車(レンタカー)で行く場合の一例。
⇒ 大きな地図で見る
1. メンフィス探訪
2. メンフィス国際空港 Memphis International Airport
3. サウス・メイン・ストリート S Main Street
4. ブルース ミュージック アート ミュージアム Blues Music Art Museum
5. ビールストリートへやってきた
6. ギブソンギター メンフィス工場の現状
7. ビールストリートを歩いてみる
8. マディソン ホテル Madison Hotel
9. 夜のビールストリート
10. アーケードレストラン The Arcade Restaurant
11. ナショナル・シビルライツ博物館を見学
12. ブルースの殿堂博物館(Blues Hall of Fame Museum)へ
13. セントラルBBQでランチ
14. サウス・メインストリート歴史地区 South Main Street Historic District
15. グレースランド エルビス・プレスリーのテーマパーク
16. メンフィス ドラムショップ Memphis Drum Shop
17. Railgarten Ping Pong
18. ビッグ・リバー・クロッシング ミシシッピ川を渡る
19. イッタ・ベナ・レストランでディナー
20. ビール・ストリート・ランディングに行ってみた
21. リバーウォークとリバーサイドドライブ
22. Temple of Deliverance の礼拝を見学
23. メンフィス・ロックンソウル博物館でメンフィスの音楽に関して学ぶ
24. クロスタウン コンコースでヘルシーランチ
25. シェルビー・ファームズ・パークでサイクリング
26. 日曜日 午後のビールストリート
27. Memphis Blues Trail 61 のサイン
28. ピーバディ メンフィスのダッグマーチ
29. ピーバディ メンフィスのランスキーブラザーズ
30. バスプロショップス・アット・ザ・ピラミッドのLookOut
31. フライト レストラン & ワインバー でディナー
32. ラム・ブギー・カフェでグッドミュージックに浸る
33. カフェ キーオでヨーロピアン・ブレックファースト
34. サンスタジオを見学 2階の展示スペース
35. サンスタジオを見学 レコーディングスタジオ編
36. コットンミュージアムでメンフィスの歴史を学ぶ
37. テネシー ウェルカム センター に寄ってみた。
38. ガスズ フライドチキン メンフィス ダウンタウン店でランチ
39. スレイブヘブン博物館で黒人奴隷の逃亡について学習する
40. Lansky Bros. Clothier to the King
41. メンフィス音楽大殿堂博物館を見学
42. ザ ビューティー ショップ でディナー
43. ブルー プレート カフェ Blue Plate Cafe
44. オーバートン・バークへ行ってみた
45. オーバートン・スクエア ミッドタウンのランドマーク
46. オーバートン・スクエアの周辺
47. スタックス博物館でオーティス・レディングを偲ぶ
48. ウィリー・ミッチェルズ ロイヤルスタジオを訪問
49. ローレンス“ブー”ミッチェル氏
50. 約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~
51. ロイヤルスタジオ <番外編>
52. チャールズ ベルゴズ ランデブーでバーベキューリブをいただく
53. メンフィス探訪 2018 まとめ
メンフィス国際空港
メンフィス国際空港は、至る所に“音楽の街”という感じのディスプレイがあり、テンションが上がります。
続きを読むサウス・メイン・ストリート
メイン・ストリートを南に行くと有名なビールストリートがあります
続きを読むブルース ミュージック アート ミュージアム
ミュージアムを作るためのスポンサー探しと寄付を集めるための一ヶ月間だけのポップアップ・プレビュー
続きを読むビールストリートへやってきた
音楽が溢れている事で有名なビールストリートの賑やかな一角を眺めると、ある事を思い出しました。
続きを読むギブソンギター メンフィス工場
ギブソンギター メンフィス工場をのぞいてみた。
続きを読むビールストリートを歩いてみる
ビールストリートの様子をサラリと見て歩く事にしました。
続きを読むマディソン ホテル
マディソン ホテルは The Hu という名前のホテルにリノベーション中でした。
続きを読む夜のビールストリート
7時頃に再びビールストリートの様子を見に行くことにしました。
続きを読むアーケード レストラン
朝食は、1919年創業のメンフィスで最も古いレストラン、アーケード レストランへ連れて行ってもらいました。
続きを読むナショナル・シビルライツ博物館
アメリカで初めての公民権博物館、ナショナル・シビルライツ博物館を見学。
続きを読むブルースの殿堂博物館へ
ブルースの殿堂博物館は、2015年にオープンしたブルース関連の博物館です。
続きを読むセントラルBBQでランチ
メンフィスで人気のBBQのお店、セントラルBBQでランチ。
続きを読むサウス・メインストリート歴史地区
サウス・メインストリート歴史地区(South Main Street Historic District)は
歴史的建築物が建ち並ぶエリア。
グレースランド
エルビス・プレスリーに関する展示博物館やテーマレストランなどがある『エルビス・プレスリーズ メンフィス』
続きを読むメンフィス ドラムショップ
メンフィス ドラムショップは、プロから初心者まで対応するドラム専門店 。
続きを読むRailgarten Ping Pong
注目のエリア クーパー・ヤングにある、地元の人々に人気のスポット。
続きを読むビッグ・リバー・クロッシング
全長約1マイル(1.6Km)の歩行者と自転車専用の橋で、歩いたり自転車でミシシッピ川を渡ることが出来ます。
続きを読むイッタ・ベナ・レストラン
イッタ・ベナ・レストランは、B.B.King のファンの方ならピンとくる店名です。
続きを読むビール・ストリート・ランディング
ビール・ストリート・ランディング(Beale Street Landing)まで散歩。
続きを読むリバーウォークとリバーサイドドライブ
トロリーのリバーフロントライン沿いのリバーウォークを歩いてみた。
続きを読むTemple of Deliverance
Temple of Deliverance で、日曜日の朝の礼拝に参加させていただきました。
続きを読むメンフィス・ロックンソウル博物館
メンフィス・ロックンソウル博物館は、ビールストリートの近くにある音楽博物館です。
続きを読むクロスタウン コンコース
クロスタウン コンコースは、芸術、教育、医療をベースにした都市型コミュニティです。
続きを読むシェルビー・ファームズ・パーク
シェルビー・ファームズ・パークは、ダウンタウンから東へ約15マイル(24km)の所にあるかなり大きな都市公園です。
続きを読むMemphis Blues Trail 61 のサイン
Memphis Blues Trail 61 のサインを確認しに行きました。
続きを読む日曜日 午後のビールストリート
日曜日 午後のビールストリートでのんびりと音楽を楽しみました。
続きを読むピーバディ メンフィスのダッグマーチ
偶然に、ピーバディ メンフィスのダッグマーチが見れたので、記事にまとめました。
続きを読むピーバディ メンフィスのランスキーブラザーズ
ピーバディ メンフィスの中にある、ランスキーブラザーズを覗いてみました。
続きを読むバスプロショップス・アット・ザ・ピラミッドのLookOut
ザ・ピラミッドのLookOutからメンフィスのダウンタウンやミシシッピ川を見渡しました。
続きを読むフライト レストラン
OpenTable の TOP 100 RESTAURANT IN THE U.S. にランクインしているフライト レストラン & ワインバーでディナー。
続きを読むラム・ブギー・カフェ
ビールストリートの名店の一つである、ラム・ブギー・カフェで南部の音楽を楽しみました。
続きを読むカフェ キーオ
カフェ キーオでヨーロピアン・ブレックファーストを頂きました。
続きを読むサンスタジオの2階
2003年にアメリカ合衆国国定歴史建造物に認定されたサンスタジオを見学しました。まずは2階の博物館からです。
続きを読むサンスタジオのレコーディングスタジオ
エルビス・プレスリーのデビュー曲をはじめ、数々の名曲が生まれたサンスタジオのレコーディング・スタジオを見学。
続きを読むコットンミュージアム
コットンミュージアムでは、メンフィスの発展の歴史や文化について、綿花産業を通じて説明しています。
続きを読むテネシー ウェルカム センター
テネシー ウェルカム センターは、テネシー州の観光情報が手に入る案内所です。
続きを読むガスズ フライドチキン
世界的に有名なスパイシーフライドチキンの店“ガスズ フライドチキン”へ行きました。
続きを読むスレイブヘブン博物館
スレイブヘブン博物館は、逃亡する黒人奴隷の中継ステーションについて知ることができます。
続きを読むランスキー・ブラザーズ キングの洋装店
無名のエルビス・プレスリーにツケ払いで服を売っていたことで有名なランスキー・ブラザーズを取材しました。
続きを読むメンフィス音楽大殿堂博物館
メンフィス音楽大殿堂博物館は、メンフィス音楽大殿堂に殿堂入りした人達の博物館。
続きを読むザ ビューティー ショップ
メンフィスで話題のレストラン「ザ ビューティー ショップ」で食事をしました。
続きを読むブルー プレート カフェ
しゃれたブルー プレート カフェで朝食を頂きました。
続きを読むオーバートン・パーク
ネイバータウンにある市立公園オーバートン・パークを散策。
続きを読むオーバートン・スクエア
ミッドタウンのランドマーク「オーバートン・スクエア」を視察しました。
続きを読むオーバートン・スクエアの周辺
オーバートン・スクエアの周辺を散策しました。
続きを読むスタックス博物館
メンフィスと言えばスタックス!スタックス博物館でオーティス・レディングを偲びました。
続きを読むロイヤルスタジオ
メンフィスで最古のレコーディング・スタジオ「ウィリー ミッチェルズ ロイヤルスタジオ」を訪問することができました。
続きを読むローレンス“ブー”ミッチェル氏
グラミー賞を受賞したローレンス“ブー”ミッチェル氏にお会いし、取材することができました。
続きを読む約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~
メンフィスで撮影された『Take Me To The River』というドキュメンタリー映画についてです。
続きを読むロイヤルスタジオ <番外編>
ロイヤルスタジオと縁が深かった石田長生さんの遺影を届けた方のエピソードです。
続きを読むチャールズ ベルゴズ ランデブー
70年続く老舗のバーベキューレストラン「チャールズ ベルゴズ ランデブー」でバーベキューを頂きました。
続きを読むメンフィス探訪 2018 まとめ
メンフィス探訪 2018の観光ポイントをカテゴリー別にまとめました。
続きを読む