IKO IKO アイコ アイコ
「IKO IKO」は、ホンダステップワゴンのCMで流れていたので、曲名や曲の内容を全く知らなくても多くの日本人が耳にしたことがあるニューオーリンズの代表的な曲です。世界中で多くのミュージシャンがレコーディングしたりライブで演奏したりしています。
ジェイムズ”シュガー・ボーイ”クロフォード
James ‘Sugar Boy’ Crawford
1953年にチェスレコードから発表された、ジェイムズ”シュガー・ボーイ”クロフォードが、ニューオーリンズのマルディグラ(謝肉祭)の様子を歌った「Jock-A-Mo」が「Iko Iko」の原曲です。
歌詞の内容は、マルディグラ(謝肉祭)でマルディグラ・インディアンがぶつかり合うシーンを歌っており、コーラスの部分の歌詞はマルディグラ・インディアンのチャント (祈り)を引用しています。
ディキシー・カップス The Dixie Cups
1965年にニューオーリンズの女性ボーカルグループがディキシー・カップスが、「Jock-A-Mo」をカヴァーして、「Iko Iko」という曲名で発表して大ヒットしました。
ドクター・ジョン Dr.John
ドクター・ジョンは、ニューオーリンズ出身のミュージシャンで、2011年にロックの殿堂入りした、ニューオーリンズのミュージックシーンの重鎮の一人です。
1972年発表の5thアルバム『ガンボ』はニューオーリンズの古い音楽を掘り起こしたことで高い評価を受けました。
このアルバムに「Iko Iko」も収録されています。
ニューオーリンズの伝統的なセカンドラインのビートを強調したアレンジが特徴的です。
ちなみに、スウェーデンのABBA(アバ)が1976年にリリースし、世界的なヒット曲となった「ダンシング・クイーン(Dancing Queen)」のグルーブ感はドクター・ジョンのヴァージョンである「Iko Iko」のセカンド・ラインをベースにしています。
ワイルド・マグノリアス The Wild Magnolias
ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのバンド、ワイルド・マグノリアスのデビューアルバム『The Wild Magnolias』(1974年)にも「Iko Iko」が収録されています。うねるリズムが独特の雰囲気です。
このアルバムは、マルディグラ・インディアンのバンドとして初めてレコーディングされたもので、ワイルド・マグノリアスはニューオリンズ・ファンクの元祖と言えます。
シンディ・ローパー Cyndi Lauper
シンディ・ローパーは、ニューヨーク ブルックリン出身のミュージシャンで、『シーズ・ソー・アンユージュアル/She’s So Unusual』(1983年)でデビューしました。
全米で2位となったデビュー曲の「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン (Girls Just Want to Have Fun)」は「ハイスクールはダンステリア」という邦題で日本でもヒットしました。
セカンドシングルの「タイム・アフター・タイム」は全米1位に輝き、ジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスがカヴァーするなど、アメリカのスタンダードナンバーの1曲となりました。
続くセカンド・アルバム『トゥルー・カラーズ/TRUE COLORS』(1986年)のタイトル曲も全米1位となります。このアルバム、『トゥルー・カラーズ/TRUE COLORS』にはマーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」や「Iko Iko」などのカヴァー曲も収録されています。
ベル・スターズ The Belle Stars
ダスティン・ホフマンとトム・クルーズが主演で、アカデミー主要4部門を獲得した映画『レインマン』(1988年)のオープニングで、ベル・スターズの「Iko Iko」が使われました。
また、トム・クルーズ主演の『Mission: Impossible II』(2000年)の冒頭のフリークライミングのシーンでも「Iko Iko」が流れています。
その他
「Iko Iko」は、グレイトフル・デッド(Grateful Dead)や、ドイツの音楽グループキャプテン・ジャック (CAPTAIN JACK) など、他にも挙げればキリが無いほどジャンルや国を問わずに、多くのミュージシャンにカヴァーされています。
日本のミュージシャンによるカヴァー
日本のミュージシャンもライブなどで「Iko Iko」を演奏する事はありますが、音源として録音されているものはそう多くありません。
久保田麻琴と夕焼け楽団『セカンド・ライン』(1979)
久保田麻琴と夕焼け楽団は、サンディー・アンド・サンセッツ、裸のラリーズなどの活動でも知られる久保田麻琴のグループです。
このバンドのライブアルバム『セカンド・ライン』は、ニューオーリンズミュージックを敬愛している事が伝わってくるアルバムで、「Iko Iko」も収録されています。
細野晴臣、林立夫、スティーブ・クロッパー、レヴォン・ヘルムがゲスト参加しており名演を聴くことができます。
トレスアミーゴス『トレスアミーゴス』(2003)
トレスアミーゴスは1970年代から日本の音楽シーンで活動するミュージシャン石田長生(ギター&ボーカル)を中心とするトリオバンド。メンバーはベース&コーラス担当がナニワエキスプレスの清水興、カホーン&パーカッションが中村岳という、リズムにこだわったユニットです。
数年間、メンバーそれぞれが独自の活動と並行してトレスアミーゴスとしてライブ活動をしていましたが、2003年に満を持してアルバムを発表。その1曲目が「Iko Iko」。
「Iko Iko」は、石田長生のライブでは欠かせないナンバーの一つで、クラッピングやコールレスポンスで盛り上がり、ライブ会場はさながらマルディグラ(謝肉祭)のような熱気に包まれます。
ニューオーリンズの観光マップ
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