ヘイトアシュベリー Haight-Ashbury
ヘイトストリート(Haight St.)とアシュベリーストリート(Ashbury St.)の角に、サンフランシスコの思い出が一挙に集まるスポットがあります。2つのストリート名が交わることを示す標識は、ここがこの界隈の中心地であることを示しています。1960年代に愛と平和を唱えたフラワーパワーが、グレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレイン、感動を呼ぶシンガー、ジャニス・ジョプリンと組んだビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニーのサイケデリックなサウンドへと開花したのはこの地区です。フラワーパワーはずいぶん前に衰退しましたが、ヘイト・アシュベリー地区「ザ・ヘイト」は今も健在です。
ザ・ヘイト……サンフランシスコ市民は、サンフランシスコ市の中心部に近いこの界隈をこう呼んでいます。色鮮やかに塗られ、愛情を込めて修復されたビクトリア様式の木造住宅は、ブエナビスタ・パークやごつごつした岩がむき出しになったコロナ・ハイツにほど近い丘の斜面に佇み、丘に華を添えています。この地区の商業の中心地ヘイトストリートにも、改装されたビクトリア建築の家並みが続いています。
ヘイトには、その反体制の雰囲気がいまだに残っています。それどころか、それを誇示しています。派手な服が並ぶ店、ピアシングやタトゥーショップ、アメーバミュージックなどの長年愛されてきた店は、アッパーヘイト沿いでひと際目立ちます。緩やかな坂が続く長いヘイトストリートを下ると、ちょっと変わったバーや委託販売を行っているショップ、古いレコードを扱う音楽ショップがずらりと並んでいます。このエリア(ローワーヘイト)では、家賃や物価が若干安く、街の印象はもう少しファンキーな感じです。
グレイトフル・デッド・ハウス(所在地 710 Ashbury)やジェファーソン・エアプレイン・ハウス(所在地2400 Fulton St.)は、長年にわたり観光スポットとして親しまれています(注:現在はどっちらも個人の邸宅となっています)。ちなみに列柱が建ち並ぶジェファーソン・エアプレイン・ハウスはかつてバンドのメンバーが真っ黒に塗っていました。パチョリオイルの香りが漂うヘイトの雰囲気は、ゴールデンゲート公園の東側にあるヒッピー・ヒルまで続きます。ヒッピー・ヒルは、1967年のサマー・オブ・ラブでジョージ・ハリソンが、あっけにとられる観衆を前にギターを演奏した場所です。
パンハンドルの東、ローワーヘイト地区の北側に広がる人気スポット、アラモスクエア。お化粧をした婦人を思わせる「ペインテッド・レディース」の愛称で親しまれる街のシンボル、きれいに並んだビクトリア様式の住宅はここにあります。この家並みは、絵ハガキのように美しい写真が撮れる市内の撮影スポットに囲まれています。
ヘイトエリアへは、路線バスなら5番のフルトン、6番のパルナッソス、7番のヘイト、30番のスタンヤン行きが利用できる他、路面電車N ユダラインでもアクセス可能です。
協力:サンフランシスコ観光協会、カリフォルニア観光局
ヘイトアシュベリーの場所と行き方
Haight-Ashbury
サンフランシスコ国際空港から車(レンタカー)で行く場合の一例。
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