サーフ ランチ 世界大会に相応しい波が造波されるウェーブプール

サーフ ランチ(Surf Ranch)は、ロサンゼルスから約200マイル(320km)、サンフランシスコから約210マイル(336km)のレモー(Lemoore)という町にある、長さ約609メートル幅152メートルのウェーブプール。初心者用の波から、20秒間のバレル(チューブ)を含む世界大会に相応しい波が造波される。
サーフ ランチの場所と行き方
普段は一般公開されていない。

サーフィン世界大会カリフォルニアの開催地となる

ケリースレーター

この人工波サーフィン施設を開発したのは、11回もWSL世界チャンピオンになったサーフィン界の帝王ケリー・スレーター(Kelly Slater)で、10年かけて開発を続けた後、2016年5月にケリースレーター・ウェーブカンパニー(KSWC)の過半数の株を世界サーフリーグ(WSL)の親会社であるWSLホールディングスが取得し、パートナーシップを組んで、サーフィンの高度化を促進することとなった。WSLから資本が入ったことにより開発に拍車がかかり、2017年にレフトブレイクが公開された。その後にテストイベント『Future Classic』が開催され、2018年からWSLのCT(チャンピオンシップ ツアーズ)カリフォルニア大会がサンクレメンテのトラッセルズから、サーフ ランチへ移ることが発表された。

サーフ ランチの仕組み

サーフ ランチ Surf Ranch

長いプールに沿ってレールが設置されていて、そのレールの上を「ハイドロフォイル」(The hydrofoil)と呼ばれる金属羽根が付いた駆動機が走る。この羽根は水中を走って波を起こす。プールのボトムに設置されたリーフズ(The reefs)というヨガマットの様な弾性のある素材で作られたものにうねりが当たると、バレル(チューブ)が発生する。波生成後の水の跳ね返りは、ダンパー(The dampers)と呼ばれるプールの側面にある溝で解消している。これらの仕組みをスーパーコンピューターや模型でシュミレーションして実際に造られた。
「ハイドロフォイル」がライトブレイク(レギュラーの波)を造波するのと逆方向に走る際には、レフトブレイク(グーフィーの波)が造られる。
それらの波の様子や、トップサーファーがライドする様子を、ケリースレーターウェーブカンパニーのサイトで動画を見ることができる。
ケリースレーターウェーブカンパニー

マリア・マニュエル Malia Manuel

2008年に14歳で史上最年少 全米オープンオブサーフィン優勝者となったハワイのマリア・マニュエル(Malia Manuel)のチューブライディング。

ファウンダーズカップ オブ サーフィン Founders’ Cup of Surfing

ジュリアン・ウィルソン Julian Wilson

2018年5月5日6日の2日間で、サーフランチ初めての公開サーフィン大会が開催された。この大会はCTに参加しているトップサーファーが男女混合で、国もしくは地域でチームを組んで行うチーム対抗戦であった。チームはハワイを含むUSAチーム、オーストラリアチーム、ブラジルチーム、ヨーロッパチーム、その他の国の多国籍チーム(World)の5組。
初日のライトハンド2本目で、ブラジルのフィリッペ・トレド(Filipe Toledo)が完璧なライドを披露して、サーフランチで初の10.0(満点)をマークした。また、トップサーファー達が最近のトレンドであるエアリアルを決めるのに即発され、帝王ケリーまでもがエアリアルを繰り出し、大会は大いに盛り上がった。この高度な争いが、9月にサーフランチで開催されるCTが人工波であることに疑問を持つ人々を納得させた。
優勝したのは、南アフリカのジョディ・スミス(Jordy Smith)がキャプテンを務め、タヒチのミシェル・ボレーズ(Michel Bourez)、日本の五十嵐カノア、南アフリカのビアンカ・ブテンバーグ(Bianca Buitendag)、ニュージーランドのページ・ハーブ(Paige Hareb)からなる多国籍チーム(World)。初日は4位の成績だったので、見事な逆転優勝であった。

コローヘ・アンディーノ Kolohe Andino

グラブレールを決めるアメリカのコローヘ・アンディーノ(Kolohe Andino)。

Championship Tour

2018年 CT第8戦 「Surf Ranch Pro」
Men’sはブラジルのガブリエル・メディナ(Gabriel Medina)、Women’sはハワイのカリッサ・ムーア(Carissa Moore)が優勝。五十嵐カノアは4位。

2019年 CT第8戦 「Freshwater Pro」
Men’sはブラジルのガブリエル・メディナ(Gabriel Medina)、Women’sはアメリカのレーキー・ピーターソン(Lakey Peterson)が優勝。五十嵐カノアは13位。
※ 2019 Women’s Championship Tour では第7戦。

協力:カリフォルニア観光局、WSL

サーフ ランチの場所と行き方

Surf Ranch 18556 Jackson Ave, Lemoore, CAロサンゼルス国際空港から車(レンタカー)で行く場合の一例。

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